2020年8月24日(月)夕刻時にチェコテレビ、インターネットでチェコの各メディアが報道しているチェコ、欧州におけるコロナウィルスの状況を伝えるニュースをお伝えします。
1.国内コロナウイルスの状況
・8月23日(日)のチェコ国内における新規陽性者数は135人。
22日18時00分現在の陽性者数は、5299人。新型コロナウイルスによる死亡者数は、これまで415人。現在、入院している陽性者数は116人。これまでの陽性者は合計22056人。(8月24日18時00分時の数字)
・プラハの直近24時間の新規陽性者数は、49人。これまで4538人が感染。死亡者数は107人。(8月24日18時00分時の数字)
・今日、チェコ保健省のスマート検疫隔離チーム(ヴラジミール・ドズリラ・デジタル化IT政府特使)とヤルミラ・ラージョヴァー・チェコ衛生主任は以下を述べた。
・現在、チェコには106のクラスターが存在する。
・一番頻繁な感染経路は、家庭内の感染。その次に頻繁な経路は、子どもたちの夏休
みのキャンプ宿泊滞在、パーティー、ホップ収穫アルバイト先など。
・医療機関、社会福祉施設においても依然として陽性者が確認されている。
・スマート検疫隔離のシステムを利用して、約7割の陽性者について感染経路(どのク
ラスターで感染したか)が確認できている。
・規模が大きく長期的なクラスターは以下のとおり。
・モラビア・シレジア州の炭鉱(炭鉱会社OKDで約1200人)
・パーティー、結婚式、各種お祝いの場(プラハのTechtle Mechtleで250人、そのうち
192人はプラハ)
*若年層がパーティーなどの場で集まる時は、自分自身は軽症ですむかもしれない
が、周囲に医療関係者、警察官、軍人など(注:感染を避けなければならない人
たち)がいる可能性があることを念頭においてほしい。(ヤルミラ・ラージョヴ
ァー・チェコ衛生主任の発言)
・スマート検疫隔離では、衛生局から新規感染者に対して連絡した場合、感染経路
(どの人から感染したか)を伝えることができないので、新規陽性者は自分と接触し
た人に衛生局から連絡が届く前に電話などで自分が陽性であると確認されたことを伝
えてほしい。その後、衛生局員は当該接触者に対し、リスクについて説明し、検疫隔
離を指示することができる。
・スマート検疫隔離システムでは、陽性者1人との電話連絡に約2時間かかり、その
後、その陽性者のホームドクターと接触者へ連絡を取る。作業の90%が事務的な作業
のため、今後は事務作業を減らして、現在一日600件までの作業を1500件までできる
よう作業能率を上げることを目標としている。
・本日8月24日から、検疫隔離期間をこれまでの14日間から10日間に短縮する予定だったが、本日、チェコ保健省は、9月1日からの全国一斉にマスク着用が義務づけられるのに合わせて、9月1日からとする修正の発表をした。
・チェコ保健省は、9月1日からのマスク着用について、ヴォイチェフ保健大臣は、先週の訂正内容が最終であること、同規定を定めた文書を本日サインしたこと、今日これから同文書を公表される予定であることを、19時からのチェコテレビのニュースで述べた。9月1日からのマスク着用の概要は以下のとおり。
場所:医療機関、社会福祉施設、公共交通(市内一般交通機関MHD、各都市を繋
ぐ電車・列車)、投票所、100人以上が集会する催し
*学校、飲食店、店舗・モールは対象外。
マスク着用義務対象外:2歳未満の幼児、精神障害のある人、裁判官、結婚式では
新郎・新婦のみならず式の参列者も含めて対象外、など。
・プラハでは、9月1日から行われる全国一斉の規制強化に先駆けて、何らかの形で規制を強化する可能性があることを、ヤルミラ・ラージョヴァー・チェコ衛生主任が述べた。(チェコテレビ19時のニュース)
・保健省専属のラスチスラフ・マジャル疫学専門家(保健大臣アドバイザー)は、学校内の教室以外の場所についてマスクを着用するという提案をしておらず、自身が不在の場で最終テキストが作成されたことを理由に、辞任することを今日発表した。
・チェコテレビが19時からのニュースで、今後、新規陽性者の数が何名を超えた場合、事態把握不可能になるのか、という質問に対して、ヴォイチェフ保健大臣は、現在のところ、スマート検疫隔離システムにまだ余裕があり、日当たり600件程度までは追跡可能、しかし陽性者数が増加しないように各自気をつけてほしい、と述べた。
・チェコ政府は、企業に対する援助(名称「Antivirus」、内容:使用者の解雇を防ぐ失
業対策の援助)を2か月間延長し、当初の8月末終了を10月末終了にする案を承認した。
2.外国の様子
・スペインとクロアチアの感染状況が悪化している旨が報道されている。
・スペインからチェコへ帰国する場合の規定が今日から変更になった。ヤルミラ・ラージョヴァー・チェコ衛生主任は、今後、クロアチアからの帰国者に対して規定を厳しくする可能性があるが、クロアチア全土を対象とするのではなく、感染状況の悪い2つの州に限定する予定であることを述べた。
<すでに発表され、現在でも有効な内容>
1.チェコ国内感染度マップ
8月21日(金)は、依然として8月14日(金)の発表(第33週目評価内容)が表示されたまま。金曜日に発表される日として、現在、8月28日が挙げられている。
現在の時点での最終アップデートは、8月7日~13日(第33週目)の状況を示したもの。
緑色(緑色の基準は「市中感染の危険なし」:感染発生が稀、地域クラスター発生、地域の感染拡大、前者3つのケースの混合)の部分が2か所。プラハとフリーデク・ミーステク地方。
<ヤルミラ・ラージョヴァー・チェコ衛生主任のコメント>
・プラハ:首都は多くの人が集まり、イベントも数多く行われるため、感染数が高くなることは、各国共通(例:ウィーン、リスボン、マドリッド、バルセロナ)。現在の陽性者は、無症状又は軽症であり、高齢者・基礎疾患を持つ人々への感染拡大はなく、集中治療を必要とする患者数も増加していない。感染経路確認不可能なケースは全体の20%以下で、状況は把握できており、地方全体にわたる感染ではない。
・フリーデク・ミーステク地方:当地のクラスターで多数の陽性者が発生している。陽性者の多くは、無症状又は軽症。高齢者・基礎疾患を持つ人々へ感染は拡大しているが、集中治療を必要とする患者数は増加していない。状況は把握できており、地方全体にわたる感染ではない。
2.チェコ国内の各州における規制
・ズリーン州(2020年8月19日より有効)
マスク着用義務(医療機関の外来治療、薬局、医療機器受渡所のみ)
・南ボヘミア州(2020年8月19日より有効)
以下の場合にマスク着用を推奨する。
・医療機関、薬局、社会福祉施設内におけるマスク着用
・高齢者、基礎疾患を持つ人がいる場所
・すべての公共交通機関内(電車、バス、市内交通)
呼吸器官疾患の症状が出ている人は、手をよく洗うなどの感染症対策を守ることを推
奨。
・モラビア・シレジア州(Bílovec, Bohumín, Český Těšín, Frenštát pod Radhoštěm, Havířov, Hlučín, Karviná, Kopřivnice, Kravaře, Nový Jičín, Odry, Opava, Orlová, Ostrava, Vítkov、及びこれらの自治体の管轄下にある自治体)(2020年8月14日12時より有効)
・病床のある医療機関が新規患者を受け入れる場合、PCRテスト必須(当該患者が
PCRテストを4日以内に受けたことを認める医師の証明書を提示しない場合)
・社会福祉設備が新しく人を受け入れる場合、PCRテストを4日以内に受けたことを認
める医師の証明書の提示がない場合は、受入れを禁ずる。
・店舗での買い物をする時、監獄での面会時などの手の消毒を徹底して行う。
・モラビア・シレジア州(Frýdek-Místek, Frýdland nad Ostravicí, Třinec, Jablunkov及びこれらの自治体の管轄下にある自治体)(2020年8月14日12時より有効)
・マスク着用義務(自宅以外の屋内空間、タクシーを含む自動車内、特別対策上規定
されている例外を除いた一般交通機関、社員通勤バスなど)
・病床のある医療機関が新規患者を受け入れる場合、PCRテスト必須(当該患者が
PCRテストを4日以内に受けたことを認める医師の証明書を提示しない場合)
・社会福祉設備が新しく人を受け入れる場合、PCRテストを4日以内に受けたことを認
める医師の証明書の提示がない場合は、受入れを禁ずる。
・ピルゼン州タチナー(自治体名)(2020年8月14日から有効)
・マスク着用義務(自宅以外の屋内空間)
・同じ家庭に住む人以外の人との接触は、必要最小限に控える。
・公共の場所における集会人数は最高2名まで(例外:同じ家庭に住む人、職業上・事
業上の理由などから必要な場合、葬儀の場合)。同じ家庭に住む人以外の人とは、可
能な限り、最低2メートルの間隔を保つこと。
・飲食店は閉店。
・公共及び個人で行う文化的・スポーツイベントをはじめとする集会の禁止。
・ヴィソチナ州(2020年8月8日より有効)
以下の場所におけるマスク着用
・医療機関(外来、ホームドクター・専門医・専門医以外の医師、歯科医、病床のあ
る病院、薬局、医療機器の受取場所)、及び社会福祉設備(児童養護施設、青少年更
生施設を含む)内。
・プラハ市(2020年7月27日から有効)
以下の場所におけるマスク着用を義務付ける。
・地下鉄及び地下鉄構内
・医療機関内
・ウースチー州(2020年7月24日午前7時から有効)
以下の場所におけるマスク着用を義務付ける。
・医療機関及び社会福祉施設
・リベレツ州(2020年7月24日午前7時から有効)
以下の場所におけるマスク着用を義務付ける。
・医療機関訪問時
・薬局内
・一部の社会福祉施設
3.9月1日からのマスク着用義務の詳細
9月1日から、感染予防の一環として、全国でマスク着用義務が課される。
目的は、高齢者、基礎疾患を持つ人々を新型コロナウイルスの感染から防ぐため。
保健省発表の特別対策(書面)が、まだ保健省ウェブサイトにも公表されていないため、19日発表内容をwww.denik.czの報道内容に基づいて修正したもの。(緑色の部分については、19日発表時に報道された内容で20日に公表された修正の対象にはなっていないと思われるが、現在確認が不可能な部分)
・着用場所 ・役所
*役所でのマスク着用については、9月に判断が下る予定。
・薬局・医療機関(病院など)
・投票所(選挙が行われた場合)
・市内一般交通(MHD)、電車(列車)、バス、タクシー、バスツアー旅行(バスで旅行する場合)
例外
1.運転手にマスク着用義務が課されるのは、乗客と話しをする場合のみ
2.交通機関内で飲食が認められている場合、乗客も飲食時はマスクをはずしてよい)
・文化的・スポーツイベント:100名を超える場合
・学校:全国感染度マップにて、危険度2度(オレンジ色)に指定された地域にある学校では、マスク着用。
・マスク着用義務対象外の人々及び場合
・満2歳までの幼児
・精神障害のある人
・スポーツをしていている場合
・体育館、フィットネスセンター
・屋内プール、サウナ、温泉療養設備(Lázně)
・知的障害者などが通う特別な学校、保育園
・その他、2020年8月19日にチェコ保健省が発行した特別対策に記載されている人々及び場合
・罰金 マスク着用の義務に違反する場合、チェコ警察が、その場で最高1万コルナまでの罰金を科すことができる。
4.外国渡航に関する情報
・EU諸国安全度マップ:現在の時点での最終アップデートは8月14日(金)付。
ルーマニアのみが赤(危険度大)。
・8月17日(月)から、以下の国の従業員を雇用する使用者(会社)は、当該従業員に
対して、陰性の検査結果提示又は検疫隔離を義務付ける。
・ブルガリア、ルクセンブルク、スペイン、ベルギー*、マルタ*
(*の国は、8月17日から新たに加わった国)
・ポルトガル、スウェーデンは17日から上記対象外となった。
・8月24日(月)から、スペインに渡航後チェコへ帰国するチェコ人及び外国人に対し、以下の義務が課せられる。
・チェコへ帰国後、即、本籍のある州の衛生局へ直接訪問するのではなく、電話などで連絡を入れる。
・即、自費でSARS Covid-2対象のRT-PCRテストを受け、結果については、チェコへ帰国した時から遅くとも72時間以内に所轄の衛生局へ通告。(RT-PCRテストを受けない場合は、14日間の検疫隔離。
・上記が完了するまで、鼻と口を覆うマスクなどを着用するとともに、外出規制を守る。
*外出規制の例外は以下のとおり:勤務、教育などの活動を行うことを目的とした勤務先への移動、勤務先における移動、教育機関への移動、事業を行うことを目的とした移動、どうしても必要な外出、子どもの面倒・動物の面倒を見るための外出のほか、どうしても金融関連機関・郵便局、医療機関、社会福祉設備、役所へ行く必要がある場合の当該機関と自宅との往復、葬儀への参加。
*スペインからの帰国後、市内一般交通、タクシーが利用できないということはない。(利用を認める)
・上記義務が対象外となる場合
・カナリア諸島からの帰国。
・スペインにおける滞在時間が12時間以内の場合。
・5歳未満の子ども。
<情報源>
チェコテレビCT24 19時からのニュース
注:ここに記載している内容は、当日夕刻時にチェコテレビ、インターネット、外国のメディアなどで報道されている内容をまとめたものです。報道の仕方による曖昧さから不正確な部分が残ることがあり、またさらにコロナウィルス関連の内容は、報道時とは実際異なる内容が実施されていることもありますのでご注意ください。ここで記載している内容が事実とは異なることから発生し得る状況については、一切責任を負いかねますので予めご了承くださるようお願いいたします。本ブログでは、遡及して事実を修正することはしておりません。現在報道されている内容をとらえて、その時の状況判断材料としてご参考いただけましたら幸甚です。
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