2020年9月13日(日)、チェコテレビ、インターネットでチェコの各メディアが報道しているチェコ、欧州におけるコロナウィルスの状況を伝えるニュースをお伝えします。
週末日曜日の新規陽性者最多記録 1541人
チェコ、オーストリア 第2波到来宣言
1.国内コロナウイルスの状況
・9月12日(土)のチェコ国内における新規陽性者数は1541人。前日金曜日の記録を100人ほど上回る数字となった。週末はこれまでテスト実施数が少ないことから、新規陽性者数も少なかった。昨日の数字は、これまでの週末最多記録より1000人ほど多い。12日のテスト件数は、12886件。
・9月13日18時00分現在の陽性者数は、14183人。新型コロナウイルスによる死亡者数は、これまで456人。現在の入院患者数288人*。これまでの陽性者は合計35933人。
・9月13日(日)18時現在、本日の新規陽性者数は、535人。
・9月13日現在、保健省のサイトにおいて、9月11日(土)の入院患者数297人、重症者数67人であることが発表されている。
https://onemocneni-aktualne.mzcr.cz/covid-19/prehled-hospitalizaci
・プラハにおける直近24時間の新規陽性者数は、72人。これまで7071人が感染。現在の陽性者数、死亡者数のデータなし。(9月13日18時00分時の数字)
・今日、チェコの直近2週間の感染率(10万人当たりの感染者数)は、EU内で3番目に悪い数字になった。チェコより感染率が悪いのは、スペインとフランスのみ。
・プリムラ保健研究政府特使は、本日昼のチェコテレビの番組で、以下を述べた。
・第1波が終わっていないのか、第2波なのかという理論的な議論があるが、チェ
コに第2波が訪れたと考えられる。
・2週間~3週間後には、春の時点と同じ程度の入院患者数が発生する。
・このまま感染者数が急激に増え続ければ、病院が新型コロナウイルス患者用に
用意しているベッド数許容量の限界に達する。何らかの対策をとられなければ、
この限界に達するのは10月末。
・感染を劇的に妨げる対策はない。ウイルスは空中を短距離で伝わり感染するこ
とがわかっている(隣同士で歌を歌った場合など)ので、これから1か月ほど、祝
事などの集まりを控えるべきである。
・チェコより感染度が悪いのは、スペインとフランスのみだが、スペインは全体
の傾向が下降線をたどっているのに対し、チェコは増加傾向にあるため、傾向と
しては欧州で最悪の状態にある。
・テスト実施数は、10月15日までに2倍に増え、1日4万件実施可能になる。現在
は、大学機関などの協力を得れば、2万件まで実施可能。(現在、テスト結果が出
るまで48時間かかるが、10月から唾液検査が始まれば、45分で結果が出るように
なる。価格も安くなる。
・CNNプリマテレビのインタビューで、ヤロスラフ・フレグル進化生物学・寄生生物学専門家は、チェコの日当たり新規陽性者数は、1週間後に日当たり4千人、2週間後には1万人に達し、これからどんな規制対策をとってもこの事態の回避は不可能と述べた。1か月前とは異なる種のウイルスが出てきており、死亡率は1パーセントと予測している。
・疫学専門イジー・ベラン氏は、フレグル氏には同意できないとし、死亡率は春の時点より低く、通常の呼吸器疾患の死亡率と同程度の0.2%程度になると述べた。
・チェコ各地の感染度及び9月12日の新規陽性者数
感染者数 感染度* 9月12日の新規陽性者数
(*人口10万人当たりの感染者数)
<プラハ・中央ボヘミア州>
プラハ 2280 172.2 121
プラハ東部 186 100.4 0
プラハ西部 153 102.5 0
クラドノ 209 125.5 0
ベロウン 132 138.9 0
プシーブラム 144 138.9 0
<ピルゼン州>
ロキツァニ 52 105.4 10
ピルゼン北部 78 97.5 15
ピルゼン南部 122 192.2 22
ピルゼン市 170 88.5 20
クラトビ 49 56.7 10
タホフ 15 27.6 1
<カルロビヴァリ州>
ヘブ 104 113.5 0
<南ボヘミア州>
ストラコニツェ 76 107.4 5
ターボル 106 103.3 1
チェスケー・ブジェヨビツェ
168 85.8 9
プラハチツェ 38 74.5 4
インドジフーフ・フラデツ
32 35.3 4
ドマジュリツェ 11 17.7 3
ピーセク 65 90.8 12
<ヴィソチナ州>
ペルフジモフ 107 148 10
ジュジャール・ナト・サーザヴォウ
96 81.2 19
ハブリーチュクーフ・ブロト
61 64.3 9
トシェビーチ 154 139 8
イフラバ 93 81.8 19
<リベレツ州>
リベレツ 169 96.2 21
チェスカー・リーパ
33 31.9 7
ヤブロネツ・ナト・ニソウ
60 66.2 7
セミリ 61 82.3 7
<ウースチー州>
テプリツェ 57 44.2 16
ホムトフ 30 24 2
モスト 38 34 2
ウースチー・ナト・ラベム
57 47.8 17
ジェチーン 63 48.6 3
リトムニェジツェ 64 53.5 14
ロウニ 38 43.8 2
<フラデツ・クラーロヴェー州>
ツルトノフ 114 96.6 4
<パルドゥビツェ州>
パルドゥビツェ 281 160.2 60
フルジム 106 101.3 9
ウースチー・ナト・オルリツィー
78 56.4 9
スヴィタヴィ 184 176.4 4
<オロモウツ州>
シュンペルク 32 26.6 4
プロスチェヨフ 68 62.6 3
オロモウツ 189 80.3 23
イェセニーク 10 26.3 2
<南モラビア州>
ホドニーン 226 146.8 0
<ズリーン州>
ウヘルスケー・フラジシチェ
220 154.7 0
フセチーン 23 16 7
ズリーン 17 117 17
クロムニェジーシュ 55 52.2 14
(https://www.idnes.cz/zpravy/domaci/koronavirus-rekord-pocet-nakazdenych-covid-19.A200913_013040_domaci_elka)
・チェコ社会民主党首ハマーチ内務大臣は、本日再度、新型コロナウイルス対策委員会の再編成を提案しているが、バビシュ首相が依然として反対の姿勢。
・バビシュ首相は、夕刻時に以下を述べた。
・夏にマスク着用を解除したのは誤りだったように思われるかもしれないが、夏
にマスクを着用していた国でも感染者数は増加している。
・重要なのは、新型コロナウイルスによる死亡者数と経済的な影響(失業率、債
務など)などを考慮した総合的な結果だ。
・対策委員会の再編成は必要ない。(再度の主張)
・ヴォイチェフ保健大臣は、昨日、2回目のテストが陰性だったため、隔離を終了した。
・パルドゥビツェのホリツェ(Holice)では、サナトリウムで87人の陽性が確認された。10日(木)、一人目の陽性が確認され、週末、87人に増加した(チェコテレビ21時のニュースでは102人)。当施設では、すでに9月3日から面会を断っており、今後も変更なしに訪問を禁止する。ミュージックセラピーで感染が拡大したことが判明している。現在のところ、入院患者は出ておらず、全員軽症。
<外国の様子>
・チェコ経済新聞のペトル・ホンゼイク記者は、13日の時点で、フィンランド、デンマーク、リトアニアがチェコに対して事実上国境閉鎖状態にあること、イギリス、スイス、ラトビア、エストニア、ベルギー、ノルウェー、ドイツがチェコからの渡航に対し、隔離又は陰性のテスト結果提示を義務付けていることを伝えている。
・オーストリアのクルツ首相は、本日9月13日(日)、オーストリアが第2波にあることを宣言した。土曜日の新規陽性者数は869人、日曜日11時過ぎに463人で、今後1000人を超えることが見込まれている。
・イスラエル政府は、7時間の論議の末、9月18日(金)から10月9日まで、3週間のロックダウンに入ることを決定した。
<すでに発表され、現在でも有効な内容>
1.チェコ国内感染度マップ
・9月11日(金)、チェコ国内の感染マップがアップデートされ、以下の地方の危険度が変更になった。
・オレンジ色(感染が長期的に拡大し、追跡が不可能になりつつあり、市中感染が始
まり始めている状態):プラハ、ベロウン、クラドノ、コリーン、プラハ東部、ウヘ
ルスケー・フラジシチェ
*コリーン地方では、市中感染には至っていないが、症状のある人の数が増えてい
るため。(チェコテレビ19時のニュース)
・グリーン色(感染追跡ができており、市中感染の危険がない状態):(保健省サイ
ト上のマップがアップデート後、記載します)
2.チェコ国内一斉の規制
以下の全国一斉の規制に加え、プラハでは以下のとおり規制が強化する。
・9月9日より、真夜中0時~朝6時までの飲食店・バーの営業禁止。
1.医療施設・社会福祉施設における規制
・患者一名に対する同じ時間の面会は、2名まで。
・面会に来る人は、新型コロナウイルスの症状について質問状を記入する。
・もし新型コロナウイルスの症状があると確認された場合は、面会することができない。
・可能な限り、屋外(庭園、テラスなど)又は一人部屋、又は面会用の部屋で面会する。
・病院の床を定期的に消毒する。
・病床のある医療施設、社会福祉施設内ではマスク着用。
以下の場合は例外:
・社会福祉サービスの患者・利用者
・2歳未満の幼児
・知的障害を負っている人
・認知障害、自閉症スペクトラム障害を負っているためにマスクを着用できない人
・医療関係者が医療サービスを提供する上で不可欠な場合。
・従業員又は同様の職務にある人が、他の人と最低1.5メートル離れている場合。
・その他、医療・社会福祉サービスの提供者、担当医が判断した場合。
2.集会人数制限に関する規制
2020年7月27日から、チェコ全域において一斉に以下の規制が課される。
・人が多く集まる屋内の催しおける参加者数は、1セクション当たり500名まで。セクションは5セクションまで設けることができる。
・屋外の催しのおける参加者数は、1セクション当たり最高1000人まで。広い会場では、9月1日から5セクションまで設けることができる。
*マスク着用などの規制が厳しくなっているが、集会の制限については、9月11日現在、7月27日の規定が有効。各地で、文化・スポーツの催しが上記規定に基づいて行われている。
3.9月10日からのマスク着用義務の詳細
9月1日から、感染予防の一環として、全国を対象に、一部の屋内(役所、医療機関・薬局、社会福祉施設、投票所)及び公共交通機関(タクシーを含む)におけるマスク着用が義務づけられたが、全国的に感染状況が悪化したため、9月10日より、全国を対象に、自宅以外の屋内におけるマスク着用が義務付けられている。
目的は、高齢者、基礎疾患を持つ人々を新型コロナウイルスの感染から防ぐため。
以下は、9月10日から有効の特別対策規定内容(https://koronavirus.mzcr.cz/wp-content/uploads/2020/09/Mimoradne-opatreni-noseni-ochrannych-prostredku-dychacich-cest-s-vyjimkami-s-ucinnosti-od-10-9-2020-do-odvolani.pdf)
*以下は規定内容の大要をまとめたもの(文書内の番号は規定内容の番号を残している)
1.着用場所規定
a) 以下の場所の屋内
・自宅・宿泊施設以外の場所における屋内(学校を含む)
・公共交通機関内
2.以上の場所におけるマスク着用義務の対象外
・2歳未満の幼児
・幼稚園・保育園園児及び職員
・スポーツトレーニング・競技
・その他、特別対策規定に定められている例外*
*特別対策規定に定めらえている例外は以下のとおり。
a) 2歳未満の幼児
b) 幼稚園・保育園園児及び職員
c) 外国語学校(1年間全日制教育)内
d) 学生寮、ユースホステルの従業員、及びこれらの施設に滞在する子供、生徒、学生
e) 児童養護施設
f) 法務省の設立した学校
g) 学校法第16条第9講に基づいて設立された学校の生徒、学生、教務職員
h) 児童一時保護所の職員及び児童
i) 知的・精神障害、自閉症スペクトラム障害、認知障害などを負っているため、マスクを着用することができない場合。
j) 医療機関病棟に入院中の場合。
k) 医療関係者が医療サービスを提供する上で不可欠な場合。
l) 社会福祉サービスの利用者
m) その他、医療・社会福祉サービスの提供者、担当医が判断した場合。
n) 被用者(チェコ憲法で定められている国を代表する国家公務員を含む)が、一か所において勤務し、他の人との距離が2メートル以上保てない場合。
o) 公共交通機関の運転手(乗客と乗降車時に接触している時はマスク着用)
p) 法廷内(裁判官、陪審員、検事、被告などをはじめとする参加者)
q) 劇場で舞台に上がる人(演劇、舞踊、音楽の演目を上演する人)、講義の講師、オーディオビデオの作品・番組の作成に参加する人。
r) ラジオ、テレビをはじめとする番組の司会者、アナウンサー
s) 高温の場所で勤務する人(高温によるリスクは管轄機関が判断)
t) 飲食店における顧客の飲食時。
u) 公共交通機関内における乗客の飲食時。
v) 結婚式参加者(新郎新婦のみならず、参列者も含む)
w) 写真撮影時(新郎新婦の写真撮影、家族写真撮影)
x) スポーツトレーニング、練習、試合、トーナメントなどでスポーツする人(トレーナーも含む)
y) 屋内プール、サウナなど。
2020年10月10日付にて、2020年8月24日付の保健省特別措置規定(*9月1日からの全国におけるマスク着用を定めた規定)、2020年8月31日付の保健省特別措置規定第I/2項が廃止された。
・罰金 特別対策を遵守しない場合、チェコ警察が、その場で最高1万コルナまでの罰金を科すことができる。
4.検閲隔離期間の短縮
2020年9月1日から、検疫隔離期間が10日に短縮。
5.外国渡航に関する情報
・EU諸国安全度マップ:現在の時点での最終アップデートは9月11日(金)。
・9月14日(月)より、ルーマニアを危険度低(グリーン)の国に指定する。
これにより、9月14日(月)以降、危険度高(赤)の国は、スペイン(カナリア諸島を含む)のみとなる。
・8月27日(木)から、以下の国の従業員を雇用する使用者(会社)は、当該従業員に対して、陰性の検査結果提示又は検疫隔離を義務付ける。
・ルクセンブルク、スペイン、マルタ
・EU以外の危険度高(赤色)の国。
・日本は8月27日(木)の時点で、依然としてグリーンの安全な国。しかし、両国間には相互主義は適用されていない。
・8月24日(月)から、スペインに渡航後チェコへ帰国するチェコ人及び外国人に対し、以下の義務が課せられる。
・チェコへ帰国後、即、本籍のある州の衛生局へ直接訪問するのではなく、電話など
で連絡を入れる。
・即、自費でSARS Covid-2対象のRT-PCRテストを受け、結果については、チェコへ帰
国した時から遅くとも72時間以内に所轄の衛生局へ通告。(RT-PCRテストを受けない
場合は、14日間の検疫隔離。
・上記が完了するまで、鼻と口を覆うマスクなどを着用するとともに、外出規制を守
る。
*外出規制の例外は以下のとおり:勤務、教育などの活動を行うことを目的とした勤務
先への移動、勤務先における移動、教育機関への移動、事業を行うことを目的とした
移動、どうしても必要な外出、子どもの面倒・動物の面倒を見るための外出のほか、
どうしても金融関連機関・郵便局、医療機関、社会福祉設備、役所へ行く必要がある
場合の当該機関と自宅との往復、葬儀への参加。
*スペインからの帰国後、市内一般交通、タクシーが利用できないということはない。
(利用を認める)
・上記義務が対象外となる場合
・カナリア諸島からの帰国。(9月14日より、カナリア諸島も対象となる)
・スペインにおける滞在時間が12時間以内の場合。
・5歳未満の子ども。
<情報源>
https://nazory.ihned.cz/c1-66815430-cesko-je-koronavirem-nejohrozenejsi-v-evrope-neverme-babisovi-ze-nebudou-dalsi-restrikce-prijde-novy-lockdown-jako-v-izraeli
注:ここに記載している内容は、当日夕刻時にチェコテレビ、インターネット、外国のメディアなどで報道されている内容をまとめたものです。報道の仕方による曖昧さから不正確な部分が残ることがあり、またさらにコロナウィルス関連の内容は、報道時とは実際異なる内容が実施されていることもありますのでご注意ください。ここで記載している内容が事実とは異なることから発生し得る状況については、一切責任を負いかねますので予めご了承くださるようお願いいたします。本ブログでは、遡及して事実を修正することはしておりません。現在報道されている内容をとらえて、その時の状況判断材料としてご参考いただけましたら幸甚です。
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