2020年9月16日(水)、チェコテレビ、インターネットでチェコの各メディアが報道しているチェコ、欧州におけるコロナウィルスの状況を伝えるニュースをお伝えします。
火曜日の新規感染者数1677人
1.国内コロナウイルスの状況
・9月15日(火)のチェコ国内における新規陽性者数は1675人。3日ぶりの最多記録更新。症状は多くの人が軽症。(実施検査件数は、1万7千件。現在の検査会場は全国で123か所、テスト実施可能件数は1万7千件。現在、待ち時間が数時間になっている。保健省はこれから検査会場のテスト実施件数を増やしていく予定。)
*バーツラフ広場では、6時50分に来た人が、整理券166番目の状態。
*ブルノ大学病院では、予約システムを導入しているが、早くて1週間後に受けられる状態。
・9月16日18時00分現在の陽性者数は、16809人。新型コロナウイルスによる死亡者数は、これまで481人。現在の入院患者数333人。これまでの陽性者は合計40875人。
・昨日9月14日(月)時点の入院患者数333人のうち、重症者78人。
・今日9月16日(水)18時現在、本日の新規陽性者数は、1293人。
・プラハにおける直近24時間の新規陽性者数は、255人。これまで7986人が感染。現在の陽性者数は公表無し、死亡者数116人。(9月16日18時00分時の数字)
・先週一週間で、入院患者数は3割増、集中治療を必要とする患者の数は2割増えたが、陽性者全体に対する入院患者の割合は非常に低い。9月14日(月)の時点で、2.33%、9月初めから3%弱の状態が続いている。ヴォイチェフ保健大臣は、現在の数倍の入院患者・集中治療を必要とする重篤者が発生しても病院の収容能力は問題ないとしている。
・欧州ワースト3の感染率比較(直近2週間、10万人当たりの感染者数)
スペイン 278.8
フランス 158.5
チェコ 118.3
・当初、新型コロナウイルスが増加傾向にある状況について保健省は記者会見を予定していたが、ヴォイチェフ保健大臣は延期し、明日木曜日12時30分から行うことを発表した。明日、新たな規制が公表される予定。
・ヴォイチェフ保健大臣が、本日開かれた特別下院議会(議題:新型コロナウイルスの感染拡大傾向)において、屋内イベント集会人数の制限(クラブなど)、チケットは座席チケットの販売のみ(立席用チケットは販売禁止)とすることなどを述べたが、夕刻時になり、9月18日(金)から、全国を対象に、以下の規制を課すことを公表した。
・10名以上が集まる屋内の催しでは、全員座ることを義務付ける(立つことを禁止する)。展覧会、市場などの催しは例外。
・バー、レストラン、クラブでは、座席数よりも多くの顧客を店内に入れてはならない。バーでも、座っていない場合は、マスクを着用。
・プリムラ保健研究政府特使は、明日開かれる記者会見で発表される規制について、Seznam.czのニュース編集局に対し、全国一斉の規制ではなく、公共・プライベートで行われる催し(スポーツ、文化的な催しではなく、プライベートで行う結婚式などの祝事)の集会人数制限になること、9月末に再度学校を閉校することも検討されていることを明らかにした。
・チェコ社会民主党及び野党の大半は、コロナウイルス危機中央対策委員会の再編成を求めており、市民民主党は15日(火)、ヴォイチェフ大臣辞任を要請したが、ANOは拒否している。
・バビシュ首相は、コロナウイルスで国民を脅かさないようメディアに呼びかけた。結果が出るのは最後になってからであること、首相自身も毎日状況、特に入院患者数を注視していることを述べた。
・南ボヘミア州では、9月21日から、基礎学校の第一段階を除き、すべての学年でマスク着用を義務付けることを、州の安全員会が15日(火)に決定。理由は、同地の感染度が、学校においてマスク着用を義務付けているプラハと同程度のスピードで悪化しているため。
・9月15日(火)、チェコ保健情報統計局よりR値(実効再生産数:感染者1人から感染し得る人の数)が1.59になったことが発表されたが、当局長のラジスラフ・ドゥシェク氏は、夏季にR値を発表しなかったのは、チェコ各地の状況が異なり、全国のR値を出す意味がなかったこと、現在、チェコ各地の感染拡大速度がほぼ同じであることから、感染状況を知るうえで再度重要な指標となったことを述べた。
<チェコにおけるR値>
3月7日前、チェコで初めて感染者が発生した頃 2.64
3月7日以降、イタリアからの帰国者に検疫隔離 1.84
3月12日学校休校、緊急発令時 1.28
3月16日外出規制発令時は 1.00
9月11日前(日当たりの新規感染者数1000人超) 1.35
・リベレツ市では、教員が陽性ではないにも関わらず、検疫隔離されなくてはならないケースが増え、休校になる学校も出ており、このままでは数週間後に当市の学校22校、31の保育園がすべて休校・休園になる恐れがあるとして、教員側から市に対して粉塵マスクを購入する予算を認めるよう要請があった。市としてマスクを購入し、教員に配布する予定。同市は、なぜ国としてマスクを供給しないのか、プラハ市では国家財産として保管されているマスクの一部が配布されたことを挙げ、「国の政策がとれていない」として不満を述べている。
・チェコの感染状況(直近7日間人口10万人当たりの感染者数100人以上の地域)
プラハ 141.36
プラハ東部 119.88
プラハ西部 117.18
クラドノ 109.92
ベロウン 123.08
ベネショフ 104.61
ピルゼン南部 129.16
ピルゼン市内 106.03
ヘブ 105.86
ウヘルスケー・フラジシチェ 134.29
プシーブラム 104.61
スヴィタヴィ 106.6
*感染率の低い地域
ドマジュリツェ 16.11
インドジフーフ・フラデツ 17.64
イェセニツェ 13.17
ホムトフ 18.41
<外国の様子>
・ドイツは、プラハに続いて、今日9月16日(水)、中央ボヘミア州を危険な地域(赤)に指定した。中央ボヘミア州からドイツへ渡航した場合、検疫隔離に入る。渡航前48時間又は渡航後72時間以内に受けたテストの結果が陰性であれば検疫隔離を終了することが可能。
・スウェーデンでは、現在、3月以来、最少の新規感染者数を記録している。結果が良好な理由について、現地の疫学専門家は、「維持可能な戦略」が功を奏したと説明している。具体的には、直近1週間の日当たり新規感染者数が108人、テスト実施数に対する陽性者の割合が、春は19%になった時もあったが、現在は1.2%程度。
・ハンガリーは、新型コロナウイルス拡大を阻止するため、継続して国境を封鎖し、映画館、劇場、社会福祉施設でのマスク着用を義務付ける。
・フランスも第2波にあり、昨日の新規感染者数は9800人。ボルドー、マルセーユでは、入院患者数も増加。直近1週間で、3000人が入院。(チェコテレビニュース)
・チェコに対して国境を閉鎖している国(欧州地域)
ウクライナ、ハンガリー、リトアニア、デンマーク、キプロス
(*デンマークは9月11日から、キプロスは9月18日から)
・チェコに対して渡航制限(陰性のテスト結果提示、検疫隔離)を課している国
イギリス、ベルギー、スイス、ドイツ(現在、プラハのみ。16日、中央簿ボヘミ
ア州も対象になることが決定)、ノルウェー、フィンランド、スロバキア、スロ
ベニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、モンテネグロ、ギリシャ、セルビア、エ
ストニア、ラトビア、オランダ*
(*スロバキアは9月18日から。オランダは9月15日からプラハのみを対象)
・チェコからの渡航を自由に認めている国
アイスランド、オランダ(9月15日からプラハに対して渡航制限)、スウェーデ
ン、ポーランド、フランス、スペイン、イタリア、オーストリア、クロアチア、
ルーマニア、ブルガリア、アルバニア、コソボ、北マケドニア、トルコ
<すでに発表され、現在でも有効な内容>
1.チェコ国内感染度マップ
・9月11日(金)、チェコ国内の感染マップがアップデートされ、以下の地方の危険度が変更になった。
・オレンジ色(感染が長期的に拡大し、追跡が不可能になりつつあり、市中感染が始
まり始めている状態):プラハ、ベロウン、クラドノ、コリーン、プラハ東部、ウヘ
ルスケー・フラジシチェ
*コリーン地方では、市中感染には至っていないが、症状のある人の数が増えてい
るため。(チェコテレビ19時のニュース)
・グリーン色(感染追跡ができており、市中感染の危険がない状態):(保健省サイ
ト上のマップがアップデート後、記載します)
2.チェコ国内一斉の規制
以下の全国一斉の規制に加え、プラハでは以下のとおり規制が強化する。
・9月9日より、真夜中0時~朝6時までの飲食店・バーの営業禁止。
1.医療施設・社会福祉施設における規制
・患者一名に対する同じ時間の面会は、2名まで。
・面会に来る人は、新型コロナウイルスの症状について質問状を記入する。
・もし新型コロナウイルスの症状があると確認された場合は、面会することができない。
・可能な限り、屋外(庭園、テラスなど)又は一人部屋、又は面会用の部屋で面会する。
・病院の床を定期的に消毒する。
・病床のある医療施設、社会福祉施設内ではマスク着用。
以下の場合は例外:
・社会福祉サービスの患者・利用者
・2歳未満の幼児
・知的障害を負っている人
・認知障害、自閉症スペクトラム障害を負っているためにマスクを着用できない人
・医療関係者が医療サービスを提供する上で不可欠な場合。
・従業員又は同様の職務にある人が、他の人と最低1.5メートル離れている場合。
・その他、医療・社会福祉サービスの提供者、担当医が判断した場合。
2.集会人数制限に関する規制
2020年7月27日から、チェコ全域において一斉に以下の規制が課される。
・人が多く集まる屋内の催しおける参加者数は、1セクション当たり500名まで。セクションは5セクションまで設けることができる。
・屋外の催しのおける参加者数は、1セクション当たり最高1000人まで。広い会場では、9月1日から5セクションまで設けることができる。
*マスク着用などの規制が厳しくなっているが、集会の制限については、9月11日現在、7月27日の規定が有効。各地で、文化・スポーツの催しが上記規定に基づいて行われている。
3.9月10日からのマスク着用義務の詳細
9月1日から、感染予防の一環として、全国を対象に、一部の屋内(役所、医療機関・薬局、社会福祉施設、投票所)及び公共交通機関(タクシーを含む)におけるマスク着用が義務づけられたが、全国的に感染状況が悪化したため、9月10日より、全国を対象に、自宅以外の屋内におけるマスク着用が義務付けられている。
目的は、高齢者、基礎疾患を持つ人々を新型コロナウイルスの感染から防ぐため。
以下は、9月10日から有効の特別対策規定内容(https://koronavirus.mzcr.cz/wp-content/uploads/2020/09/Mimoradne-opatreni-noseni-ochrannych-prostredku-dychacich-cest-s-vyjimkami-s-ucinnosti-od-10-9-2020-do-odvolani.pdf)
*以下は規定内容の大要をまとめたもの(文書内の番号は規定内容の番号を残している)
1.着用場所規定
a) 以下の場所の屋内
・自宅・宿泊施設以外の場所における屋内(学校を含む)
・公共交通機関内
2.以上の場所におけるマスク着用義務の対象外
・2歳未満の幼児
・幼稚園・保育園園児及び職員
・スポーツトレーニング・競技
・その他、特別対策規定に定められている例外*
*特別対策規定に定めらえている例外は以下のとおり。
a) 2歳未満の幼児
b) 幼稚園・保育園園児及び職員
c) 外国語学校(1年間全日制教育)内
d) 学生寮、ユースホステルの従業員、及びこれらの施設に滞在する子供、生徒、学生
e) 児童養護施設
f) 法務省の設立した学校
g) 学校法第16条第9講に基づいて設立された学校の生徒、学生、教務職員
h) 児童一時保護所の職員及び児童
i) 知的・精神障害、自閉症スペクトラム障害、認知障害などを負っているため、マスクを着用することができない場合。
j) 医療機関病棟に入院中の場合。
k) 医療関係者が医療サービスを提供する上で不可欠な場合。
l) 社会福祉サービスの利用者
m) その他、医療・社会福祉サービスの提供者、担当医が判断した場合。
n) 被用者(チェコ憲法で定められている国を代表する国家公務員を含む)が、一か所において勤務し、他の人との距離が2メートル以上保てない場合。
o) 公共交通機関の運転手(乗客と乗降車時に接触している時はマスク着用)
p) 法廷内(裁判官、陪審員、検事、被告などをはじめとする参加者)
q) 劇場で舞台に上がる人(演劇、舞踊、音楽の演目を上演する人)、講義の講師、オーディオビデオの作品・番組の作成に参加する人。
r) ラジオ、テレビをはじめとする番組の司会者、アナウンサー
s) 高温の場所で勤務する人(高温によるリスクは管轄機関が判断)
t) 飲食店における顧客の飲食時。
u) 公共交通機関内における乗客の飲食時。
v) 結婚式参加者(新郎新婦のみならず、参列者も含む)
w) 写真撮影時(新郎新婦の写真撮影、家族写真撮影)
x) スポーツトレーニング、練習、試合、トーナメントなどでスポーツする人(トレーナーも含む)
y) 屋内プール、サウナなど。
2020年10月10日付にて、2020年8月24日付の保健省特別措置規定(*9月1日からの全国におけるマスク着用を定めた規定)、2020年8月31日付の保健省特別措置規定第I/2項が廃止された。
・罰金 特別対策を遵守しない場合、チェコ警察が、その場で最高1万コルナまでの罰金を科すことができる。
4.検閲隔離期間の短縮
2020年9月1日から、検疫隔離期間が10日に短縮。
5.検疫隔離・陽性隔離、追跡作業の規則変更
・隔離の規則が9月15日(火)から、以下のとおり変更になった。
目的:検疫隔離になる人の数を大幅に減らすため
・陽性者に接触していても、接触時に陽性者および本人ともにマスク又は粉塵マスク(respirator)を着用していたことがわかっており、かつ本人が無症状であれば、検疫隔離しなくてよい。
・陽性者に接触していても、本人が直近90日以内に新型コロナウイルスにかかっていれば、検疫隔離しなくてよい。(90日間は免疫ができているため)
*マスクをしていても、陽性者がくしゃみをした後に握手した場合などは、検疫隔離しなければならない。
*接触後、10日間は健康状態に注意し、症状が出た場合は、ホームドクターに連絡する。
*陽性者と接触後、症状が出ている場合は検疫隔離(quarantine)または陽性隔離(isolation)に入るが、症状が消えた後も3~4日は隔離の状態を継続する。検疫隔離(quarantine)、陽性隔離(isolation)の双方について、隔離終了のためにテストを受ける必要はない(医療関係者、社会福祉施設職員、免疫力が低下している人は例外)
・衛生局による追跡作業の方法が9月21日(月)、自己追跡(直近に接触した人を衛生局のウェブサイトで自己申告する方法)になる。
6.外国渡航に関する情報
・EU諸国安全度マップ:現在の時点での最終アップデートは9月11日(金)。
・9月14日(月)より、ルーマニアを危険度低(グリーン)の国に指定する。
これにより、9月14日(月)以降、危険度高(赤)の国は、スペイン(カナリア諸島を含む)のみとなる。
・8月27日(木)から、以下の国の従業員を雇用する使用者(会社)は、当該従業員に対して、陰性の検査結果提示又は検疫隔離を義務付ける。
・ルクセンブルク、スペイン、マルタ
・EU以外の危険度高(赤色)の国。
・日本は8月27日(木)の時点で、依然としてグリーンの安全な国。しかし、両国間には相互主義は適用されていない。
・8月24日(月)から、スペインに渡航後チェコへ帰国するチェコ人及び外国人に対し、以下の義務が課せられる。
・チェコへ帰国後、即、本籍のある州の衛生局へ直接訪問するのではなく、電話など
で連絡を入れる。
・即、自費でSARS Covid-2対象のRT-PCRテストを受け、結果については、チェコへ帰
国した時から遅くとも72時間以内に所轄の衛生局へ通告。(RT-PCRテストを受けない
場合は、14日間の検疫隔離。
・上記が完了するまで、鼻と口を覆うマスクなどを着用するとともに、外出規制を守
る。
*外出規制の例外は以下のとおり:勤務、教育などの活動を行うことを目的とした勤務
先への移動、勤務先における移動、教育機関への移動、事業を行うことを目的とした
移動、どうしても必要な外出、子どもの面倒・動物の面倒を見るための外出のほか、
どうしても金融関連機関・郵便局、医療機関、社会福祉設備、役所へ行く必要がある
場合の当該機関と自宅との往復、葬儀への参加。
*スペインからの帰国後、市内一般交通、タクシーが利用できないということはない。
(利用を認める)
・上記義務が対象外となる場合
・カナリア諸島からの帰国。(9月14日より、カナリア諸島も対象となる)
・スペインにおける滞在時間が12時間以内の場合。
・5歳未満の子ども。
<情報源>
https://www.irozhlas.cz/zpravy-domov/epidemiologicka-situace-vladni-rada-pro-zdravotni-rizika_2009141132_ada
https://www.ceskatelevize.cz/porady/1097181328-udalosti/dily/
注:ここに記載している内容は、当日夕刻時にチェコテレビ、インターネット、外国のメディアなどで報道されている内容をまとめたものです。報道の仕方による曖昧さから不正確な部分が残ることがあり、またさらにコロナウィルス関連の内容は、報道時とは実際異なる内容が実施されていることもありますのでご注意ください。ここで記載している内容が事実とは異なることから発生し得る状況については、一切責任を負いかねますので予めご了承くださるようお願いいたします。本ブログでは、遡及して事実を修正することはしておりません。現在報道されている内容をとらえて、その時の状況判断材料としてご参考いただけましたら幸甚です。
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