2020年9月8日(火)夕刻時にチェコテレビ、インターネットでチェコの各メディアが報道しているチェコ、欧州におけるコロナウィルスの状況を伝えるニュースをお伝えします。
追跡作業変更の可能性に対し、WHOが批判
1.国内コロナウイルスの状況
・9月7日(月)のチェコ国内における新規陽性者数は563人。
・9月8日18時00分現在の陽性者数は、8789人。新型コロナウイルスによる死亡者数は、これまで440人。現在、入院している陽性者数は234人。これまでの陽性者は合計28374人。
・プラハにおける直近24時間の新規陽性者数は、221人。これまで6208人が感染。死亡者数は113人。(9月8日18時00分時の数字)
・昨日、チェコ政府は、衛生局の追跡作業が間に合わなくなっていることから、新型コロナウイルス感染の中でも深刻な場合に限り追跡作業を行うことを衛生局が検討している旨、発表した。これは、無症状陽性者と接触した人は隔離されず、コロナウイルスに感染しているかどうか、確認不可能になることを意味する。衛生局は、この対策をとることで、作業を間に合わせたいとしている。同時に、粉塵マスクを着用して感染者から十分な距離を保っていた人は、同様に隔離の対象から除外することを検討中。同内容については、9月11日(金)までに明確にする予定。
・チェコの追跡作業の方法が変更する可能性が昨日発表されたことから、世界保健機関(WHO)のチェコ支部は、今日、チェコの感染度が全国的に悪化していることに懸念を表明し、感染拡大を差し止めるためには、感染者と接触した人の追跡作業をやめるのではなく、テスト実施件数を増やしていくことだと述べた。
・世界保健機構チェコ支部の批判に対し、バビシュ首相は、世界保健機関が春にマスク着用を推奨しなかったこと、パンデミックであると(適切に)認識しなかったことを指摘、(チェコの状況に)干渉すべきではないと反論し、チェコの死亡者数が他国と比較して少ないことをツィーターで述べた。(先週、バビシュ首相は、追跡作業に上限はないことを述べたばかりだった)
・プラハにおける9月8日(火)の新規陽性者数が夕刻時に220人を超え、すでに最高記録であることが報道されている。ヤーグロヴァー・プラハ衛生局長は、200名を超えているので、すべての追跡作業を1日で終了するのは物理的に無理であること、今日火曜日に週末に確認された陽性者の作業を継続していることをチェコテレビ19時のニュースで言及した。現在の感染は、レストラン、ナイトクラブでの感染が大半のため、明日からの飲食店夜間営業禁止により状況が変わると想定されている。明日からこのほか、店舗・モール内でのマスク着用が義務付けられるが、プラハ市役所、プラハ衛生局は今後の規制について、来週までに検討する予定。(ドイツから危険な国に指定されるのを避けるため、プラハ市役所としては対策が必要と考えている。ドイツからプラハを訪問した観光客3人がナイトクラブで感染したことが、ドイツからの情報で明らかになっている)
・現在のチェコの感染度(10万人当たりの感染件数)は、近隣諸国及びクロアチアと比べ、一番多い状況。ドイツはチェコの4分の1。
・チェコ政府はワクチンが来年初頭に入手できることを想定しており、3段階のグループに分けて接種することをすでに計画立てている。第一グループは、65歳以上、社会福祉施設従業員、心臓病、糖尿病などの基礎疾患を持つ人、医療関係者、疫学専門家など、第二グループは、ホームドクター、薬剤師など、第3グループはその他の人々で、第3グループについては自費となる。接種は2回、1か月間後に2回目の接種を受けることが発表されている。
・現在、世界で173のチームがワクチン開発に携わっている。第三回目のテスト段階に入っているワクチンが34。ロシアのワクチン「スプートニーク」は第三回目のテストを行わず、今週から国民への接種が始まっている。
・チェコでは、新型コロナウイルスによる感染が流行していることから、インフルエンザの予防接種を希望する人が例年よりも30%ほど多い状況だが、希望者数に対してインフルエンザ・ワクチンの数が間に合っていない。
・新しく1週間前から衛生局の新型コロナウイルス電話相談窓口の電話番号が1221になり、保健省のサイトでは無料となっているが、各携帯電話会社が有料で行っていることが判明。保健省は各社と無料になるよう交渉中。
・プラハ市内の学校で教室以外でのマスク着用が来週月曜日から義務付けられるが、それに先駆けて、オストラバの学校では明日水曜日から、クロムニェジーシの学校では明後日木曜日から教室外のマスク着用を義務付ける。
・ピルゼン南部のノヴェー・フシでは、人口300人に対し、20人の陽性が確認されていることから、9日(水)より、公共の場所におけるマスク又は粉塵マスクの着用、社会距離の維持、集会の禁止、レストラン閉店、町役所閉鎖、文化的・スポーツ催し、集会などをプライベートでも行ってはならないことをピルゼン州衛生局長が発表した。
・各地でクラスターが発生しており、大きいところは一度に100人を超える陽性者が確認されている。
<外国の様子>
・フランスの直近1週間の感染者数は、3万5千人。一日当たり7千人の増加。
<すでに発表され、現在でも有効な内容>
1.チェコ国内感染度マップ
・9月4日(金)、チェコ国内の感染マップがアップデートされ、以下の地方の危険度が変更になった。
・オレンジ色(感染が長期的に拡大し、追跡が不可能になりつつあり、市中感染が始まり始めている状態):プラハ
・グリーン色(感染追跡ができており、市中感染の危険がない状態)(全10地方):プラハ東部、プラハ西部、プシーブラム、コリーン、ベロウン、クラドノ、ムニェルニーク、ブランスコ、トシェビーチ、ホドニーン
2.チェコ国内一斉の規制
以下の全国一斉の規制に加え、プラハでは以下のとおり規制が強化する。
・9月9日より、真夜中0時~朝6時までの飲食店・バーの営業禁止。
1.医療施設・社会福祉施設における規制
・患者一名に対する同じ時間の面会は、2名まで。
・面会に来る人は、新型コロナウイルスの症状について質問状を記入する。
・もし新型コロナウイルスの症状があると確認された場合は、面会することができない。
・可能な限り、屋外(庭園、テラスなど)又は一人部屋、又は面会用の部屋で面会する。
・病院の床を定期的に消毒する。
・病床のある医療施設、社会福祉施設内ではマスク着用。
以下の場合は例外:
・社会福祉サービスの患者・利用者
・2歳未満の幼児
・知的障害を負っている人
・認知障害、自閉症スペクトラム障害を負っているためにマスクを着用できない人
・医療関係者が医療サービスを提供する上で不可欠な場合。
・従業員又は同様の職務にある人が、他の人と最低1.5メートル離れている場合。
・その他、医療・社会福祉サービスの提供者、担当医が判断した場合。
2.集会人数制限に関する規制
2020年7月27日から、チェコ全域において一斉に以下の規制が課される。
・人が多く集まる屋内の催しおける参加者数は、1セクション当たり500名まで。セクションは5セクションまで設けることができる。
・屋外の催しのおける参加者数は、1セクション当たり最高1000人まで。広い会場では、9月1日から5セクションまで設けることができる。
3.9月1日からのマスク着用義務の詳細
以下の9月1日からの規制に加え、プラハにおいて、以下のマスク着用が新たに義務付けられる。
・9月9日から、モール及び店舗内のマスク着用。
・9月14日より、プラハ市内の学校内においては、教室以外の場所においてマスクを着用。
9月1日から、感染予防の一環として、全国でマスク着用義務が課される。
目的は、高齢者、基礎疾患を持つ人々を新型コロナウイルスの感染から防ぐため。
以下は、8月24日付にて公表された特別対策規定内容(https://koronavirus.mzcr.cz/wp-content/uploads/2020/08/Mimoradne-opatreni-izolace-a-karantena-s-ucinnosti-od-1-9-2020-do-odvolani.pdf)
*以下はそのままを訳したのではなく、文書の番号をそのまま残し、大要をまとめたもの。
I. 1.着用場所規定
a) 以下の場所の屋内
・役所
・薬局・医療機関(病院など)
・社会福祉施設
・投票所
b) 公共交通機関
2.以上の場所におけるマスク着用義務の対象外
a) 2歳未満の幼児
b) 知的・精神障害、自閉症スペクトラム障害、認知障害などを負っているため、マスクを着用することができない場合。
c) 医療機関病棟に入院中の場合。
d) 医療関係者が医療サービスを提供する上で不可欠な場合。
e) 社会福祉サービスの利用者
f) その他、医療・社会福祉サービスの提供者、担当医が判断した場合。
g) 公共交通機関の運転手が乗客と話をしていない時。
h) 法廷内(裁判官、陪審員、検事、被告などをはじめとする参加者)
i) 公共交通機関内における乗客の飲食時。
j) 結婚式参加者(新郎新婦のみならず、参列者も含む)
k) 写真撮影時(新郎新婦の写真撮影、家族写真撮影)
l) 温泉の湯治・療養施設における滞在中。
*スポーツをしている時もマスクをしなくてよい旨が伝えられている。
・罰金 特別対策を遵守しない場合、チェコ警察が、その場で最高1万コルナまでの罰金を科すことができる。
4.検閲隔離期間の短縮
2020年9月1日から、検疫隔離期間が10日に短縮。
5.外国渡航に関する情報
・EU諸国安全度マップ:現在の時点での最終アップデートは9月4日(金)。
ルーマニア、スペインの2か国が赤(危険度大)。
・8月27日(木)から、以下の国の従業員を雇用する使用者(会社)は、当該従業員に対して、陰性の検査結果提示又は検疫隔離を義務付ける。
・ルクセンブルク、スペイン、マルタ
・EU以外の危険度高(赤色)の国。
・日本は8月27日(木)の時点で、依然としてグリーンの安全な国。しかし、両国間には相互主義は適用されていない。
・8月24日(月)から、スペインに渡航後チェコへ帰国するチェコ人及び外国人に対し、以下の義務が課せられる。
・チェコへ帰国後、即、本籍のある州の衛生局へ直接訪問するのではなく、電話など
で連絡を入れる。
・即、自費でSARS Covid-2対象のRT-PCRテストを受け、結果については、チェコへ帰
国した時から遅くとも72時間以内に所轄の衛生局へ通告。(RT-PCRテストを受けない
場合は、14日間の検疫隔離。
・上記が完了するまで、鼻と口を覆うマスクなどを着用するとともに、外出規制を守
る。
*外出規制の例外は以下のとおり:勤務、教育などの活動を行うことを目的とした勤務
先への移動、勤務先における移動、教育機関への移動、事業を行うことを目的とした
移動、どうしても必要な外出、子どもの面倒・動物の面倒を見るための外出のほか、
どうしても金融関連機関・郵便局、医療機関、社会福祉設備、役所へ行く必要がある
場合の当該機関と自宅との往復、葬儀への参加。
*スペインからの帰国後、市内一般交通、タクシーが利用できないということはない。
(利用を認める)
・上記義務が対象外となる場合
・カナリア諸島からの帰国。(9月14日より、カナリア諸島も対象となる)
・スペインにおける滞在時間が12時間以内の場合。
・5歳未満の子ども。
<情報源>
https://ct24.ceskatelevize.cz/domaci/3179403-sledujte-tiskova-konference-k-epidemiologicke-situaci-v-praze
https://ct24.ceskatelevize.cz/domaci/3179403-sledujte-tiskova-konference-k-epidemiologicke-situaci-v-praze
チェコテレビ19時ニュース
注:ここに記載している内容は、当日夕刻時にチェコテレビ、インターネット、外国のメディアなどで報道されている内容をまとめたものです。報道の仕方による曖昧さから不正確な部分が残ることがあり、またさらにコロナウィルス関連の内容は、報道時とは実際異なる内容が実施されていることもありますのでご注意ください。ここで記載している内容が事実とは異なることから発生し得る状況については、一切責任を負いかねますので予めご了承くださるようお願いいたします。本ブログでは、遡及して事実を修正することはしておりません。現在報道されている内容をとらえて、その時の状況判断材料としてご参考いただけましたら幸甚です。
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