陽性者数、入院患者数(重症者数)ともに増加
3回目接種までの期間 6か月に短縮
<目次>
1.感染状況データ
2.今日の動き
3.EU諸国の感染状況比較(ECDCのデータ)(2021年10月7日更新)
4.各国の感染リスク度表示(2021年10月8日更新)
5.チェコへの入国規定(2021年9月11日更新)
1. 感染状況データ
・今日の感染状況
10月10日(日)8時におけるチェコ保健省の発表
10月9日(土)の新規陽性者数:665人
(前週土曜日比 114人多い)
10月8日(金)の新規陽性者数:1019人
(前週金曜日比 195人多い)
10月7日(木)の新規陽性者数:989人
(前週木曜日比 73人多い)
10月6日(水)の新規陽性者数:1045人
(前週水曜日比 313人多い)
過去直近7日間における人口10万人当たりの新規感染者数
10月9日現在54人 (10月10日現在56人)
過去直近14日間における人口10万人当たりの新規感染者数
10月9日現在94人 (10月10日現在97人)
PCR検査実施数累計:10,988,825件
PCR検査実施数(10月9日):14,688件
抗原検査実施累計:27,839,981件
抗原検査実施数(10月9日):23,599件
全検査の陽性率(10月10日現在):5.45(5.38%*)
*7日間の移動平均
予防接種実施(10月9日現在)
当日の投与回数:2,508
累計:11,886,407
ワクチン接種完了:6,000,477人
治った人の数:1,658,123人
現在の入院患者数:306人
累計感染者数:1,699,743人
累計死亡者数: 30,501人
10月9日(土)現在
入院患者数:306人(10月8日の321人から15人減)
重症者の数:58人(10月8日の63人から5人減)
*1週間前10月2日の入院患者数は230人、重症者の数は35人だった。
10月4日(月)以降、上昇傾向が強まり、10月6日(水)は319人で300人を超えた。
10月9日(土)
新規陽性者数:129人
10月10日(日)8時現在の発表
治った人の数:189,042人
累計感染者数:193,905人
累計死亡者数:2,776人
各州の状況はこちら
PESシステム リスク指標(2021年10月10日現在)
(保健省のデータ)
リスク指標 規制レベル(相当)
チェコ全国 58↓ 4
2.今日の動き
<2021年10月7日~10日ニュース>
●感染状況
・昨日10月9日(土)の新規陽性者数は665人。週末の数字としては5月8日以来の最多。
・今週に入り、日当たり新規陽性者数が全体的に増加、1000人を超える日が続いた。
10月5日(火)、6日(水)、8日(金)の3日間、それぞれ1109人、1045人、1019人。
・現在の新規陽性者は、75%がワクチン非接種者で、平均年齢は29歳。
・10月4日(月)~10月9日(土)までの新規陽性者総数は5715人。先週は4165人だった。
・入院患者数も10月4日(月)以降、上昇傾向が強まっている。10月6日(水)は319人で300人を超えた。昨日土曜日は前日より15人減少したが、前週比にて約3分の1ほど多い。
・重症者数の日当たり平均人数も先週36.8人から今週57.1人へ増加している。
・累計死亡者数が3万500人を越えた(10月10日現在30,501人)。
死亡者増加傾向が強まっている。(今週は23人増。先週は11人増だった)
・過去1週間における人口10万人当たりの新規陽性者数も増加。
・R値は、今週1.3前後。昨日10月9日(土)の1.3から、今日10月10日(日)は1.29へ僅かに減少。
・ワクチン接種者数は、600万人を超えた(10月10日現在のワクチン接種完了者数は610万7220人)
・ 3回目接種は、10月9日(土)433人が受けた。これまで受けた人の数は2万497人。
●3回目接種までの間隔 10月18日から6か月に短縮(10月7日ニュース)
現在、ワクチン接種完了後の再接種(ワクチンの種類により、3回目または2回目接種)までの期間は8か月になっているが、10月7日(木)、保健省は、10月18日から6か月に短縮することを承認した。(期間短縮を発表したボイチェフ保健大臣のツイッターはこちら)
今回の保健省承認は、欧州医薬品庁、チェコワクチン学会の承認、それに続く推奨(10月6日)に基づいて行われた。同学会のフリーベク理事長は、再接種までの間隔を8か月から6か月に短縮するよう推奨したが、6か月が経過したらその後、いつでも受けることができる、とツイッターにて発表している。
●疫学者の意見(10月8日ニュース)
スメイカル疫学者は、チェコテレビ(ČT24)のインタビューにて以下を述べた。 (チェコテレビウェブサイト上の記事より)
・秋にチェコの感染状況が悪化することは避けられない。
・春に多くの人が感染したが、秋に感染者数が増えない程度まで感染してはいない。春の感染度が秋の感染数増加とどのように関連しているかを数字で表すことは不可能。そのため、ワクチン接種率と比較しなければならないが、ワクチン接種率は当初期待した程度に達していない。
・しかし、状況はそれほど深刻ではなく、現在のところ、想定範囲内にある。集団免疫度を数字で表すことができないが、ある程度の集団免疫が形成されているため、陽性者数が急激に増加することはない。
・現在の新規陽性者は大半が、ワクチン接種率の低い若年層となっている。
・新型コロナウイルスに感染した人の約1割が、嗅覚が戻らない、耳鳴りがする、疲労が激しい、集中できないなどの後遺症を患っている。このことからもワクチンを推奨したい。
・現在の新規陽性者は、若年層の他、高齢者で2回のワクチン接種にて得た免疫がすでになくなっている人。このため、10月18日から、3回目接種をワクチン接種完了後、これまで8か月後に接種していたが、6か月に短縮する。
・ワクチン接種の免疫効果が長期的に続くものとして課題評価していた。新型コロナウイルスは新しい疾病であり、いつかはもっとよい方法で感染予防できるようになるはずだが、2年が経過したのみの現在ではまだその方法が明らかになっていない。状況が悪化しているため、これまで以上に再接種が重視されてきている。
・ワクチン接種を受けることで、重症化、集中治療室に入らなければならなくなるなどの状況を防ぐことができる。しかし、ワクチンを受けていても、感染すれば軽い症状が出ること、ウイルスを他の人にうつしてしまうことは防げない。
・ワクチンは、通常の生活へ戻り、医療システムに負担をかけないための唯一の方法だ。ワクチン接種により、新型コロナウイルスがインフルエンザと同様になる。これまで新型コロナウイルスをインフルエンザと同様に捉えることは相応しくないと主張していたが、現在の状況下では同様に捉えることが可能であると述べることができる。
・新型コロナウイルスの流行を全世界的に抑えて、新しい変異株の発生・拡大を防がなければならない。そのためにもワクチンを貧しい国へ届けなければならない。
・学校における検査は、今後も継続し、感染状況が悪化した場合は実施回数を増やすべき。
・学校はこれ以上閉鎖するべきではない。そのためにも検査を頻繁に行っていく必要があり、生徒は嫌がるが、マスク着用義務を推奨したい。
●保健大臣、11月1日から在フィンランド大使(10月7日ニュース)
10月7日、バビシュ首相はラジオ局Rádio Impulsが行ったインタビューの中で、ボイチェフ保健大臣が11月1日から在フィンランド大使に就任するため、外務省への異動が確定していることを述べた。週刊誌Respektは、外交筋によると、ゼマン大統領も合意していることを伝えている。(チェコラジオの記事から)
10月8日・9日の2日間にわたり、下院総選挙が行われ、すでに選挙日前から新政権は10月末までに成立しないことが予測されていたため、保健大臣が11月1日から在フィンランド大使に就任すると、新型コロナウイルスの感染状況に影響が出るのではないかと心配する声を各メディアが報道した。
●下院総選挙の結果
10月8日、9日の下院総選挙の結果は以下のとおり。
・現行連立政権を形成するANO:27.12%で72議席(6議席↓)
・SPOLU(市民民主党、キリスト教民主同盟、TOP09のこれまでの野党3党が組む連立):27.79%で71議席(29議席↑)
・海賊党・STAN(市長・無所属)の連立:15.62%で37議席(9議席↑)
・SPD(自由・直接民主主義党):9.56%で20議席(2議席↓)
現連立政権をANOと構成するチェコ社会民主党のほか、連立政権を容認する形で重要な決議の際に現政権を支持してきたチェコモラビア共産党も、議席獲得の基準である5%の票を獲得することができず、議席を得ることができなかった。共産党は、1989年の共産党政権崩壊後、これまで継続して議席を得ていたが、今回初めて下院における議席を失う結果となった。
10月13日(水)、ゼマン大統領がどの党首に組閣を委任するかが焦点となっている。(ゼマン大統領は、これまで、一党として最も多い票を獲得した政党・政治運動の党首に委任すると述べている)
SPOLU及び海賊党・STANは、10月9日夜、5党が結束して政権を組み、安定多数を確保する覚書を署名した。バビシュ首相は、ゼマン大統領から組閣を委任されれば、SPOLUと政権を組む話し合いを開始すると発表している。
ゼマン大統領は9月にプラハにある軍中央病院に入院した。退院後も容態が懸念されている。10月10日、バビシュ首相がゼマン大統領を選挙結果報告のために訪れた後、救急車で軍中央病院に運ばれ、再入院した。
●各国の危険度
保健省は、10月8日(金)、各国の危険度をアップデートした。10月11日(月)から、以下の国の危険度が下記のとおり変更となる。(10月10日発表:保健省のページはこちら)
感染リスク低の国(緑色):リヒテンシュタイン、カナリア諸島
感染リスク中程度の国(オレンジ):アゾレス諸島、ノルウェー、キプロス、ルクセンブルク
感染リスクが非常に高い国(濃い赤色):ラトビア、ルーマニア
3. EU諸国の感染状況比較(ECDCのデータ)
直近2週間における人口10万人当たりの感染者数(①)
及び人口100万人当たりの死亡者(②)
(2021年10月7日アップデート)
統計の対象は2週間 2021年37週目及び38週目
(38週目:9月20日~26日、39週目:9月27日~10月3日)
① ②
1. リトアニア 795.54 99.85
2. エストニア 658.63 26.34
3. ルーマニア 631.53 107.87
4. ラトビア 580.86 52.94
5. スロベニア 571.75 35.78
6. クロアチア 410.78 42.14
7. アイルランド 367.80 14.10
8. ブルガリア 342.49 145.29
9. スロバキア 307.39 17.59
10. ギリシャ 284.78 42.36
11. オーストリア 272.01 12.70
12. ベルギー 232.95 9.72
13. ルクセンブルク 181.60 1.60
14. キプロス 173.54 7.88
15. ノルウェー 154.54 3.73
16. アイスランド 133.74 0.00
17. オランダ 133.22 3.91
18. ドイツ 131.71 9.88
19. フランス 106.54 11.41
20. フィンランド 106.00 3.80
21. デンマーク 94.42 5.84
22. ポルトガル 87.29 8.35
23. スウェーデン 82.75 3.10
24. イタリア 77.00 12.09
25. チェコ 72.41 4.40
26. ハンガリー 68.02 9.62
27. リヒテンシュタイン
67.10 0.00
28. スペイン 63.10 13.23
29. マルタ 44.12 7.77
30. ポーランド 34.91 5.45
*赤字は先週から増加。
4.各国の感染リスク度表示
保健省は、10月8日(金)、感染リスク度リストのアップデートを発表した。
2021年10月11日(月)0時から有効になる。
緑色の国(感染リスクが低い国)
オーストラリア
チリ
ヨルダン・ハシェミット王国
カナダ
韓国
サウジアラビア
リヒテンシュタイン
マルタ
ニュージーランド
ポーランド
ルワンダ
カタール
クウェイト
台湾
ウルグアイ
バチカン
香港
マカオ
カナリア諸島
*日本は、9月20日から緑色の国から感染リスクが非常に高い国(濃い赤色の国)になっている。
オレンジ色の国(感染リスクが中程度の国) アンドラ
デンマーク
フィンランド
フランス
アイスランド
イタリア
キプロス
ルクセンブルク
ハンガリー
モナコ
オランダ
ノルウェー
サンマリノ
ポルトガル(アゾレス諸島、マデイラを含む)
スペイン(バレアレス諸島を含む)
スウェーデン
赤色の国(感染リスクが高い国)
ベルギー
ブルガリア
クロアチア
アイルランド
オーストリア
ギリシャ
スロバキア
ドイツ
スイス
濃い赤色の国(感染リスクが非常に高い国)
エストニア
リトアニア
ラトビア(新規)
ルーマニア(新規)
スロベニア
その他、上記以外の国すべて(日本)
保健省発表の各国危険度はこちら
5. チェコへの入国規定
9月11日から有効となったチェコへの入国規定
以下は、保健省のページを訳した内容(一部概要)
以下の人は、下記の帰国時規則から免除される。
① ワクチン接種完了し、最終接種から14日間が経過し、新型コロナウイルスに感染している症状のない人。ワクチン接種者も、入国申告書記入義務あり。
ワクチンの接種については以下が認められている。
・チェコ国内又はEU諸国内にてワクチン接種を受けた認証を持っている人。
・EU諸国外の国でワクチンを受けている場合は、英語で書かれた書面上の接種証明書又はEUの認める電子認証を所持し、EMAが登録又はWHOが緊急使用として承認しているワクチンである場合。書面による証明書は、所定の内容が記載されており、書面上の証明書から遠隔で内容を直接確認できること。
② これまで新型コロナウイルスに感染したことがあり、陽性が初めて確認された検査から11日以上180日以下の期間にあり、新型コロナウイルス電子認証に関するEU規則に基づいて発行された認証を持っている人。感染証明を持っている人も、入国申告書記入義務あり。
③ チェコへ向けて出発する前の滞在国にて新型コロナウイルスに感染し、隔離終了したことを証明する外交覚書を持っている人。入国申請書記入義務あり。
④ 6歳未満の子ども
6歳未満の子どもは、入国申告書記入義務対象外。
⑤ 12時間以内にチェコ国内を通過する人。
⑥ 国際運送業の作業員
など。
<各感染リスクレベルに応じた入国規定>
感染度が低い国(緑色の国)
① 入国申告書の記入(国境検問にて要請に応じて提示)
② チェコへの入国前又は入国後5日後までに検査を受ける。検査結果が出るまで、自主隔 離の必要なし。
検査は、48時間以内に受けた抗原検査、または72時間以内に受けたPCR検査。(いずれも書面又はEU規則により認められた電子認証にて可)
感染リスクが中程度の国(オレンジの国)
① 入国申告書の記入(国境検問にて要請に応じて提示)
② チェコへの入国前又は入国後5日後までに検査を受ける。検査結果が出るまで、自主隔離の必要なし。
検査は、48時間以内に受けた抗原検査、または72時間以内に受けたPCR検査。(いずれも書面又はEU規則により認められた電子認証にて可)
感染リスクが高い国(赤色の国)
① 入国申告書の記入(国境検問にて要請に応じて提示)
②
1. 公共交通機関(飛行機、鉄道、バス等)により入国する場合
・48時間以内に受けた抗原検査の陰性結果(書面)又は72時間以内に受けたPCR検査の陰性結果(書面)を所持。
入国申告書及び検査結果を提示しない渡航者は、交通機関により乗車が認められない。
・チェコへ入国後、5日~14日目の間にPCR検査を受ける。検査結果が出るまで、自主隔離。
2.個人の交通機関により入国する場合又は外交覚書を所持している場合
・渡航開始前に検査を受け、結果を所持する必要はない。
・チェコへ入国後、5日~14日目の間にPCR検査を受ける(保健省又は衛生局が例外を認めることがある)。検査結果が出るまで、自主隔離。
感染リスクが高い国(濃い赤色の国)
① 入国申告書(Public Health Passenger Locator Form) の記入(国境検問にて要請に応じて提示)
②
1. 公共交通機関(飛行機、鉄道、バス等)により入国する場合
・48時間以内に受けた抗原検査の陰性結果(書面)又は72時間以内に受けたPCR検査の陰性結果(書面)を所持。
入国申告書及び検査結果を提示しない渡航者は、交通機関により乗車が認められない。
・チェコへ入国後、5日~14日目の間にPCR検査を受ける。検査結果が出るまで、自主隔離。
2.個人の交通機関により入国する場合又は外交覚書を所持している場合
・渡航開始前に検査を受け、結果を所持する必要はない。
・チェコへ入国後、5日~14日目の間にPCR検査を受ける(保健省又は衛生局が例外を認めることがある)。検査結果が出るまで、自主隔離。
感染リスクが極端に高い国(黒色の国)
① 入国申告書の記入(国境検問にて要請に応じて提示)
② チェコへの渡航開始前に、陰性結果(書面又は所定認証で、48時間以内に受けた抗原検査又は72時間以内に受けたPCR検査の陰性結果)を所持。
③ チェコへ入国後、24時間以内に受けるPCR検査の予約確認書を所持。(国境検問にて要請に応じて提示)
④ 入国申告書、検査結果及び入国後24時間以内に受けるPCR検査の予約確認書を提示しない渡航者は、交通機関により乗車が認められない。
⑤ チェコへ入国後、10日~14日目に再度PCR検査を受ける(保健省又は衛生局が例外を認めることがある)。
⑥ PCR検査陰性結果が出るまで、自主隔離。
「EU諸国以外の国の国民で、チェコが発行した滞在許可を持っていない人、又はチェコ以外のEU諸国プラス*の発行した滞在許可又は永住許可を持っていない人について、現在住んでいる国が感染リスク低ではない場合、現在、チェコへの入国は禁止されている。この禁止の例外は、保健省の感染対策(II./2及びII./3)**に記載されている」(内務省のホームページから)
→9月20日(月)より、日本は濃い赤色の国となったため、チェコが発行した滞在許可を持っていない人、又はチェコ以外のEU諸国(EU諸国+)の発行した滞在許可又は永住許可を持っていない人に対するチェコへの入国は、9月20日(月)より不可能となっている。
<情報源>
https://ct24.ceskatelevize.cz/domaci/3383676-pocet-zemrelych-s-covidem-prekrocil-hranici-30-500-v-sobotu-pribylo-o-petinu-vic
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